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ケトン食療法

2013年2月 2日 (土)

てんかんとケトン食療法の歴史:発展期

久々の更新となってしまいました。
深くお詫びを申し上げます。

この記事は、
「てんかんとケトン食療法の歴史:黎明期」
http://kodomonotenkan.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-4e10.html
の続きになります。

1921年に「ケトン食療法」が始まりましたが、
その当時のケトン食の組成は、

1日あたり
・10gから15gの炭水化物(糖質)
・体重1kgあたり1gのタンパク質(蛋白質)
・それ以外は脂肪(脂質)

であり、
すでに現在とほぼ同様の組成でした。

その後、
最適なケトン食の組成が模索され、
ハーバード大学のTalbot先生により、
脂肪を4gに対して炭水化物とタンパク質を合わせて1gとする、
4対1ケトン食療法」が確立されました。

なお、
その当初は、
ケトン比」あるいは「ケトン指数」(いずれもKeto
genic Ratio)として、

ウッドヤットの式
(0.46タンパク質[g]+0.9脂肪[g])/
(炭水化物[g]+0.58タンパク質[g]+0.1脂肪[g])

が使用されていましたが、
計算が非常に煩雑となるため、
その後は、

Talbot先生による
(脂肪[g])/(炭水化物[g]+タンパク質[g])

が使用されるようになりました。

なお、
諸外国での「ケトン比(Ketogenic Ratio)」の算出は、
後者が一般的になりますが、
日本での「ケトン指数(Kegogenic Ratio)」の算出は、
後者の場合もあれば前者の場合もあり、
両者で計算結果がやや異なるため、
混乱しないように注意が必要です。

私個人とし
ましては、
・後者の方が簡便であること
・諸外国の教科書、論文、調理本は後者のみ使用していること
から、
後者を使用しており、
今後は日本でも後者に統一されていくものと推察しております。


1921年の当時には、
抗てんかん薬としては、
・臭化カリウム
・フェノバルビタール
のわずか2種類しかありませんでした。
いずれの抗てんかん薬も、
現在では「第1選択薬」ではなくなっています。

ですので、
1920年代から1930年代にかけて、
このケトン食療法は、
広く受け入れられるようになりました。

続きます。

<警告>
「ケトン食療法」の開始時は、
さまざまな危険な副作用が出現する可能性があるため、
経験の豊富な医師により原則として入院監視下に開始されます。
くれぐれも医師の指示なしに実施しないでください。

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参考文献
Wheless JW: History and origin of the ketogenic diet.
  Epilepsy and the ketogenic diet.p31-50,2004

2013年1月16日 (水)

てんかんとケトン食療法の歴史:黎明期

てんかんケトン食療法の歴史は、
はるか紀元前にまでさかのぼります。

古代ギリシアの医師であり、
「医学の父」とよばれている、
ヒポクラテス(紀元前460年頃~370年頃)は、
神聖病」と呼ばれていたてんかんを、
「神の病気」ではなく「脳の病気」であるとし、
断食」により治療したとする記述があります。

また、
聖書の「マタイによる福音書」などにも、
てんかんを「断食」により治療せよという記述があります。

参考
「てんかんと聖書とケトン食療法」
http://kodomonotenkan.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-c5d6.html

そのことからは、
古来より一部の人々は、
てんかんには「断食」が有効な場合があることを、
知っていたと考えられています。

その「断食」が、
近・現代医学に登場したのは、
20世紀の初頭になります。

1911年に、
フランスの内科医であるGuelpa先生とMarie先生が、
てんかん患者さんに4日間の「絶食(断食)」を実施し、
てんかん発作が改善したことを報告しました。

また、
1921年には、
アメリカの内分泌科医であるGeyelin先生が、
てんかん患者さん
に20日間にもおよぶ「絶食(断食)」を実施し、
てんかん発作が改善したことを報告しました。

さらに、
同1921年に、
シカゴのWoodyatt先生が、
絶食もしくは極端に炭水化物を少なく脂肪を多くした食事で、
体の中に「ケトン体」が生成されることを報告しました。

なお、
このWoodyatt(ウッドヤット)先生は、
ケトン指数」を計算する「ウッドヤッドの式」で有名です。

ウッドヤットの式
(0.46タンパク質[g]+0.9脂肪[g])/
(炭水化物[g]+0.58タンパク質[g]+0.1脂肪[g])

そして、
同1921年に、
メイヨークリニックのWilder先生が、
極端に炭水化物を少なく脂肪を多くした食事による「ケトン血症」が、
絶食と同様にてんかん発作を改善させることを報告し、
ケトン食療法」と命名しました(文献1)。

それにより、
断食」をしなくても、
断食しているような状態」を、
維持することができるようになりました。

続きます。


<警告>
「ケトン食療法」の開始時は、
さまざまな危険な副作用が出現する可能性があるため、
経験の豊富な医師により原則として入院監視下に開始されます。
くれぐれも医師の指示なしに実施しないでください。

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参考文献
[1] Wheless JW: History and origin of the ketogenic diet.
  Epilepsy and the ketogenic diet.p31-50,2004

2013年1月10日 (木)

風邪には風邪薬か?:First do no harmの意味

てんかんにおけるケトン食療法の歴史を取り上げる前に、
医学の父”であり“ケトン食療法の祖”でもある、
ヒポクラテス(紀元前460年頃~370年頃)の言葉(とされている)、


「First do no harm(まず害を成すな)」

について少し述べさせてください。

ヒポクラテス
ヒポクラテス
(ピーテル・パウル・ルーベンス作版画、1638年、アメリカ国立医学図書館蔵)
(Public domain, PD-US

参考
Wikipedia:ヒポクラテス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%9D%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%86%E3%82%B9

なお、
この言葉はケトン食療法の映画の題名にもなっています。

参考
「てんかんと映画とケトン食療法」
http://kodomonotenkan.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-0d8d.html


さて、
「風邪には風邪薬」
でしょうか?

おそらく、
子どもが風邪をひいて鼻水を出し始めると、
薬局で「風邪薬」を買う人も多いのではないでしょうか?

ところが、
2008年1月に、
アメリカの政府機関であるアメリカ食品医薬品局(FDA)は、
市販の「風邪薬」は2歳未満の乳幼児に対して、
重篤で生命に危険のある副作用が出現する可能性があることから、
使用すべきでない
とする勧告を発表しました。

参考(英文)
U.S. Food and Drug Administration (FDA):
OTC Cough and Cold Products: Not For Infants and Children Under 2 Years of Age
http://www.fda.gov/forconsumers/consumerupdates/ucm048682.htm

また、
アメリカ小児科学会も、
市販の「風邪薬」は6歳未満の小児に対して、
効果がなく、健康に危険を引き起こす可能性がある

とする声明を発表しました。

参考(英文)
American Academy of Pediatrics:
Withdrawal of Cold Medicines: Addressing Parent Concerns
http://www.aap.org/en-us/professional-resources/practice-support/Pages/Withdrawal-of-Cold-Medicines-Addressing-Parent-Concerns.aspx?nfstatus=401&nftoken=00000000-0000-0000-0000-000000000000&nfstatusdescription=ERROR%3a+No+local+token

さらに、
カナダ保健省も、
市販の「風邪薬」は6歳未満の小児に対して、
使用すべきでない
とする声明を発表しました。

参考(英文)
Canada Health:
Health Canada Releases Decision on the Labelling of Cough and Cold Products for Children
http://www.hc-sc.gc.ca/ahc-asc/media/advisories-avis/_2008/2008_184-eng.php

なお、
それに対する日本の対応は、
以下のニュース記事を参考にされてください。

参考
薬事新報(2008年1月14日付):
【FDA】OTCかぜ薬の乳幼児への使用中止を勧告
http://www.yakuji.co.jp/entry5591.html
薬事新報(2008年7月9日付):
【厚労省】OTCかぜ薬で注意喚起”使用上の注意を改訂
http://www.yakuji.co.jp/entry7357.html

最もよくある「風邪」という病気において、
医師も患者さんも誰もが「風邪には風邪薬」と考え、
鼻水には鼻水止め、咳は咳止め」と信じ込んできましたが、
医師が処方せずともよい“弱い、軽い”「市販薬」でさえ、
風邪を治すどころか害を成すことがありえるのです。

私たち医師は患者さんを目の前にすると、
何かをしなければならないという思いにかられます

しかしながら、
良かれと信じ込んでやっていることが、
本当に益を成すのか、あるいは実は害を成してしまうのかは、
常に考え続けなければなりません。

それも、
First do no harm
のひとつの意味だと私は考えています。

それでは、
てんかんにおける「ケトン食療法」はどうでしょうか?

その歴史について書きながら、
標準医療」や「代替医療」の意味についても考えてまいります。

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2013年1月 8日 (火)

てんかんとケトン食療法:その理解のために

みなさんは「ケトン食療法」についてご存知でしょうか。

このブログでも、
「てんかんと映画とケトン食療法」
 http://kodomonotenkan.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-0d8d.html
「てんかんと聖書とケトン食療法」
 http://kodomonotenkan.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-c5d6.html
で少し取り上げました。

ケトン食は、
脂肪を増やし炭水化物とタンパク質を減らした食事です。

血液と尿の中に、
ケトン体」というものが出てくるのでその名がついています。

尿中ケトン体検査
尿中ケトン体検査(public domain, by Colin)

ケトン食療法は、
主に小児の難治性てんかんに対する治療の一種であり、
以前は“last resort(最後の選択肢)”といわれていましたが、
最近ではより早めに試みられるようになってきています。


しかし、
諸外国ではすでに45か国以上で実施されていますが
(文献1)
日本ではいまだに十分には普及しておらず、
ほんの一部の施設でのみ実施しているのが現状です。

その理由のひとつには、
患者さんやご家族のみならず、
医療従事者にも十分に理解されていないことがあります。

このブログでは、
・歴史(紀元前から現代まで)
・種類(古典型やアトキンス変法など)
・仕組み(高ケトンや低血糖など)
・作用と副作用(有効性や忍容性など)
・根拠(エビデンスなど)
・適応と禁忌(てんかんや基礎疾患など)
・実際(計算方法や調理方法など)
などについて書いていきたいと思います。

しかしながら、
あくまでも医師としての記事となりますので、
むしろ、
患者さんやご家族のみなさんのご意見がとても参考になります。

みなさんからのご意見やご要望をお待ちしています。

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参考文献
[1] Kossoff EHとMcGrogan JR: Epilepsia 2005;46:280-289.

2012年12月25日 (火)

てんかんと聖書とケトン食療法

てんかん聖書の中にも書かれており、
『マタイによる福音書』の中には、
ケトン食療法」の原型となる「断食」についても書かれています。

欽定訳聖書/ジェイムズ王訳(King James Version)
欽定訳聖書/ジェイムズ王訳(King James Version)
(Public domain, PD-US


『マタイによる福音書』


17章14節   
一同が群衆のところへ行くと、
ある人がイエスに近寄り、
ひざまずいて、

17章15節
言った。
「主よ、息子を憐れんでください。
 てんかんでひどく苦しんでいます。
 度々火の中や水の中に倒れるのです。

17章16節   
 お弟子たちのところに連れて来ましたが、
 治すことができませんでした。」

17章17節   
イエスはお答えになった。
「なんと信仰のない、
 よこしまな時代なのか。
 いつまでわたしはあなたがたと共にいられようか。
 いつまで、
 あなたがたに我慢しなければならないのか。
 その子をここに、
 わたしのところに連れて来なさい。」

17章18節   
そして、
イエスがお叱りになると、
悪霊は出て行き、
そのとき子供はいやされた。

17章19節   
弟子たちはひそかにイエスのところに来て、
「なぜ、わたしたちは悪霊を追い出せなかったのでしょうか」と言った。

17章20節   
イエスは言われた。
「信仰が薄いからだ。
 はっきり言っておく。
 もし、
 からし種一粒ほどの信仰があれば、
 この山に向かって、
 『ここから、あそこに移れ』と命じても、
 そのとおりになる。
 あなたがたにできないことは何もない。」

17章21節
(底本に節が欠けている個所の異本による訳文)
しかし、
この種のものは、
祈りと断食によらなければ出て行かない。


引用
日本聖書協会『新共同訳 新約聖書』    マタイによる福音書17章14節~21節
http://www.bible.or.jp/index.html


ただし、
『マタイによる福音書』17章21節については、
「(底本に節が欠けている個所の異本による訳文)」との注釈があるように、
さまざまな議論があるようです。

よって、
その節のある聖書は、
欽定訳聖書新ジェイムズ王訳(New King James Version)
などに限られているようです。

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2012年12月12日 (水)

てんかんと映画とケトン食療法

みなさんは、
「...First Do No Harm(邦題「誤診」)」
という映画をご存知でしょうか?

てんかん」と「ケトン食療法」の映画です。

難治性てんかんをもつ子どもが、
抗てんかん薬が効かずに副作用
ばかりに悩まされますが、
ケトン食療法」により治癒したという話しです。
ミオクロニー失立発作てんかん(ドーゼ症候群)かもしれません)

参考
all cinema:誤診
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=83386


これは実話に基づいています。

ジム・エイブラハム監督の、
2歳近くになる息子のチャーリーには、
数十回から100回にも及ぶてんかん発作が毎日あり、
数々の抗てんかん薬外科手術によっても、
てんかん発作を止めることができませんでした。

しかし、
ジョンズ・ホプキンス大学病院にたどり着き、
ケトン食療法」を開始したところ、
そのわずか2日後にてんかん発作が止まり、
そして1か月後には全ての薬を止めることができました。

ジム・エイブラハムは、
「チャーリー基金」を設立し、
ケトン食療法の啓蒙活動や研究支援などに尽力しました。

そのおかげで、
難治性てんかんへのケトン食療法は、
アメリカでは随分と一般的な治療になっています。

参考(英語)
The Charlie Foundation
http://www.charliefoundation.org/index.php


この映画はその啓蒙活動の一環になります。

映画には、
ケトン食療法により治癒した患者さんも、
実際にいろいろな役で出演しています。

さらなる詳細はこちらご覧になれます。
週間医学界新聞:
アメリカ医療の光と影(5)学習する患者たち(1)
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n1999dir/n2337dir/n2337_07.htm

なお、
"First do no harm"という言葉は、
「まず害を成すな」という意味で、
古代ギリシアの医師で“医学の父”である、
ヒポクラテスの言葉だとされています(諸説あり)。

ヒポクラテスは“ケトン食療法の祖”でもあります。

おそらくは、
ヒポクラテスがケトン食療法の祖であることと、
抗てんかん薬の副作用に悩まされたこと、
そのふたつにより、
この題名になったのだと思いますが、
そうしますと「誤診」という邦題は、
あるいは「誤訳」かもしれません。

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