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点頭てんかん(ウエスト症候群)

2012年12月15日 (土)

点頭てんかん(ウエスト症候群)などでACTH療法を受けた後は

点頭てんかん(ウエスト症候群)などでACTH療法を受けた後は、
3か月から6か月の間は「免疫力」が低下しているとされます(文献1)。

ですので、
その間は引き続き感染に気をつける必要があります。

しかし、
外出」できるようになる時期や、
保育園」に入園や復園できる時期につきましては、
明確な基準がないために病院の方針により大きな幅があります。

私どもは、
ACTH療法を終了してから、
・「1か月程度」は外出を控える
・「3か月程度」は保育園に入園や復園を控える
ことをひとつの目安としています。

また、
12月頃から3月頃までの冬の間は、
・「インフルエンザウイルス」
・「RSウイルス」
・「ノロウイルス」、「ロタウイルス」
などのさまざまなウイルスが流行するため、
特に外出
保育園慎重になる必要があります。

一方、
予防接種」を受けられるようになる時期につきましては、
『予防接種ガイドライン』により、
ACTH療法後予防接種6ヵ月以上おいて接種する」、
「主治医(接種医)の判断でこの期間は変更可能である」、
とされています(文献2)。

私どもは、
ACTH療法の用量(極少量か通常量かなど)や期間
保育園などの感染の機会の多少や地域の流行の状況
などを考慮した上で、
ACTH療法を終了してから、
必要により「3ヵ月程度」からの接種が可能と考えています。

しかし、
ACTH療法後予防接種により、
抗体を獲得できる割合は明確になっていないため、
場合により血液検査による抗体価の確認が必要になることがあります。

また、
繰り返しになりますが、
感染の可能性を少しでも減らすため、

「インフルエンザ」などの予防接種は、
周りのご家族がしっかりと受ける必要があります。

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参考文献
[1] Ohya Tら. Brain Dev 2009;31:739-743.
[2] 予防接種ガイドライン等検討委員会:予防接種ガイドライン2011年度版
  p.80~83,2011.

2012年12月14日 (金)

点頭てんかん(ウエスト症候群)と診断されたら

点頭てんかん(ウエスト症候群)と診断されると、
おおよそ1か月以内にACTH療法を受ける可能性があります。

ACTH療法は、
前から書いているように、
主に「細胞性免疫」とよばれる「免疫力」を低下させるため、
ACTH療法の最中に感染症を発症すると命にかかわることがあります。

特に「水ぼうそう(水痘)」は、
・「予防接種」が任意のために流行しやすい
・「空気感染」するために感染力がとても強い
 (同じ部屋に一緒にいればだいたい感染します)
・「潜伏期」が2~3週間ととても長い
・「発症」する2日前から「感染力」がある
 (ですので流行を防ぎにくい)
・「免疫力」が弱まっていると命にかかわりやすい
ために最も注意する必要があります。

そのため、
水ぼうそう(水痘)」の人(多くは子ども)
が近くにいた可能性があれば、
(例えば「保育園」で「水ぼうそう(水痘)」の子どもが一人でもでれば)
ACTH療法は延期せざるをえません。

参考
薬事日報:
【厚労省医薬食品局安全対策課】コートロシンで死亡例‐水痘の感染に注意喚起
http://www.yakuji.co.jp/entry29039.html

よって、
点頭てんかん(ウエスト症候群)が疑われた時点から、
「保育園」や「子どもの集まる場所」には行かないようにする必要があります。
(ご家庭の事情もあるかと存じますがこの数か月が正念場になります)

また、
「病院」は最も「感染症」をもらいやすい場所です。
ですので、
受診の際には
・患者さんの少ない時間帯にする
・別の部屋で待たせてもらう
・車の中で待たせてもらう
などの工夫が必要です。

なお、
「かぜ」の多くは、
飛んできたものが体の中に入る(飛沫感染)よりは、
手についたものが体の中に入る(間接接触感染)のほうが、
はるかに多いとされています。

例えば、
「かぜ」の子どもが遊んだおもちゃを手で触り、
その手で目や鼻をこすったり口に入れることで、
「かぜ」をもらってしまいます。

「かぜ」の多くは自分の手からもらうということです。

ですので、
子ども同士でのおもちゃなどの共有は避ける必要があります。
それから、
周りのご家族は徹底して手洗いをする必要があります。


また、
ACTH療法前予防接種は、
・ワクチン株による発症の可能性
・免疫がつかない
があるため実施できません。

ですので、
「インフルエンザ」のなどの予防接種は、
周りのご家族がしっかりと受ける必要があります。

この後は、
ACTH療法後の注意点について書いていきます。

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2012年12月 8日 (土)

点頭てんかん(ウエスト症候群)の治療:ACTH療法の実際

この記事は続きになります。

「点頭てんかん(ウエスト症候群)の
治療:ACTH療法の作用と副作用
http://kodomonotenkan.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-4e47.html


点頭てんかん(ウエスト症候群)
に対するACTH療法は、
原則として入院した上で慎重に実施します。

ACTH療法には、
「商品名:コートロシンZ(一般名:テトラコサクチド酢酸塩)」
という注射薬を使います。

コートロシンZは、
点頭てんかん(ウエスト症候群)の他にも、
気管支喘息や関節リウマチなどの治療にも使えることになっていますが、
現在は主に点頭てんかん(ウエスト症候群)のみに使われています。

参考
イーファーマ:コートロシンZ筋注0.5mg
http://www.e-pharma.jp/allHtml/2411/2411401A2035.htm


この薬は「筋肉内注射(筋注)」により投与します。
筋肉内注射は、
大人では「肩」の周辺にしますが、
赤ちゃんでは「太もも」の外側にします。

筋肉内注射(筋注)
(Public domain, CDC/ Amanda Mills)

なお、
一昔前に筋肉内注射による「筋拘縮症」が問題となり、
以後は予防接種の筋肉内注射が
避けられていましたが、
現在では解熱薬や抗菌薬の頻回の筋肉内注射が原因と考えられ
ており
今後は日本でも諸外国と同様に筋肉内注射が一般的になりそうです。

参考
日本小児科学会:
不活化ワクチンの筋肉内注射の添付文書への記載の変更について
http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_1106273.pdf

コートロシンZの「添付文書」(注意書き)にも、
「筋拘縮症」の副作用の記載はありません。(文献1)

コートロシンZの投与する量と期間は、
・年齢
・原因
・合併する病気
・病院の方針
などにより大きな幅があります。

その量は、
体重1キログラムあたり、
0.005ミリグラムから0.025ミリグラムまで、
5倍もの幅があります。

その日数も、
1日に1回ずつ2週間くらい毎日投与した後に、
2日に1回ずつ、3日に1回ずつと少しずつ減らしていきますが、
その期間にもかなりの幅があり、
少しずつ減らさないこともあります。

また、
それらの量や日数は、
・点頭発作(スパズム発作)の有無
・脳波の様子
・副作用の強弱
などにより調整していきます。(文献2)


ACTH療法の最中やその前後には、
(実際には点頭てんかん(ウエスト症候群)と診断されたら)
感染には十分に気をつける必要があります。
特に「水痘(水ぼうそう)」の子どもと接触した可能性が少しでもあれば、
潜伏期の可能性のなくなる3週間後まで延期せざるをえません。

参考
薬事日報:
【厚労省医薬食品局安全対策課】コートロシンで死亡例‐水痘の感染に注意喚起
http://www.yakuji.co.jp/entry29039.html


また、
副作用の有無の確認のために、
こまめに診察と検査を受ける必要があります。

ACTH療法では、
一過性に脳の水分が減り脳が縮こまる「退縮(たいしゅく)」が起こり、
とてもまれにですが脳出血を起こすことがあります。
よって、
強すぎる退縮や小さな脳出血を見逃さないために、
CT検査やMRI検査などをすることがあります。

また、
心臓の働きに影響することがあるため、
胸部レントゲン検査、心電図検査、心臓超音波検査
などをすることがあります。

さらに、
血糖やカリウムなどのイオンバランスの乱れを見逃さないためにも、
血液検査や尿検査などをすることがあります。

ただし、
これらの検査の方法についても、
病院の方針などにより大きな幅があります(文献3)


この後は、
点頭てんかん(ウエスト症候群)の、
日常生活の注意点について書いていきます。

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参考文献
[1] 添付文書:コートロシンZ筋注0.5mg
  http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/430574_2411401A2035_1_06.pdf

[2] 伊藤正利:ウエスト症候群の診断・治療ガイドライン.
  てんかん研究 2006;24:68-73.
  http://square.umin.ac.jp/jes/epilepsy-detail/guideline.html

[3] 奥村彰久ら:ACTH療法における副反応予防についてのアンケート調査
  てんかん研究 2005;23:229-232.
  http://ci.nii.ac.jp/naid/130000057795

2012年12月 7日 (金)

2012年アメリカてんかん学会総会:点頭てんかん(ウエスト症候群)の治療

点頭てんかん(ウエスト症候群)
治療に関連した
いくつかの発表がありました。

OUTCOME AND CHALLENGES IN TREATING INFANTILE SPASMS
  WITH HIGH DOSE ORAL PREDNISOLONE

演題:
「高用量経口ステロイド薬により治療した点頭てんかんの予後と課題」
概説:
高用量のステロイド薬を2週間内服することにより、
5名の全ての患者さんで発作が抑制された

その後に3名の患者さんでは発作が再発した。

TREATMENT OF INFANTILE SPASMS WITH VERY HIGH DOSE PREDNISOLONE
  BEFORE HIGH DOSE ACTH

演題:
「高用量ACTH療法の前の超高用量プレドニゾロン療法による点頭てんかんの治療」
概説:
超高用量のステロイド薬を2週間内服することにより、
22名のうち11名の患者さんで発作が抑制され、
その後のACTH療法によりさらに4名の患者さんで発作が抑制された

その後に15名のうち4名の患者さんでは発作が再発した。

HIGH DOSE ORAL STEROID AS SUCCESSFUL INITIAL TREATMENT
 FOR INFANTILE SPASMS: FOLLOW-UP OF SEVEN CASES

演題:
「点頭てんかんに対する成功した初期治療としての高用量経口ステロイド療法:
  7名の患者さんの経過観察」
概説:
高用量のステロイド薬を2週間内服することにより、
7名の全ての患者さんで発作が抑制され
た。
その後に発作は再発しなかった。


経口ステロイド療法」は、
ACTH療法」に代わりうる治療法として注目されています。
有名なイギリスのガイドラインでは、
ACTH療法」と「経口ステロイド療法」は、
すでに両方とも「第一選択薬」となっています。
今後も最適な量や期間の検討が必要ですが、
治療法のひとつとして期待されています。


USE OF THE KETOGENIC DIET IN INFANTILE SPASMS
  REFRACTORY TO FIRST-LINE TREATMENT: A PROSPECTIVE STUDY

演題:
「第一選択薬に抵抗する点頭てんかんに対するケトン食療法:
  前方視的研究」
概説:
ケトン食
療法により、
1か月後には
17名のうち6名の患者さんで発作が抑制され、
3か月後には17名のうち11名の患者さんで発作が抑制された。


ケトン食療法」も、
アメリカや韓国を中心に試みられており、
ACTH療法」で発作が抑制されない場合の、
つぎなる治療法としても期待されています。

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2012年11月27日 (火)

点頭てんかん(ウエスト症候群)の治療:ACTH療法の作用と副作用

この記事は続きになります。

「点頭てんかん(ウエスト症候群)の治療:AC
TH療法とは?
http://kodomonotenkan.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-3fc4.html

点頭てんかん(ウエスト症候群)に対するACTH療法は、
てんかん発作を抑え脳波を良くする「作用」が働く可能性と、
さまざまな重い「副作用」が出てしまう可能性との、
バランスによりできるかどうかが判断されます。

ACTH療法には、
点頭発作(スパズム発作)」というてんかん発作を抑え、
ヒプスアリスミア」という脳波異常を良くするという、
いくつかの治療のなかで最も有効な「作用」があります。
この作用はおおよそ4割から9割の患者さんで働くとされ
ています(文献1)。

一方で、ACTH療法には、
体の免疫を強く抑えることによる「感染症」や、
脳を一時的に縮こまらせることによる「脳出血」などの、
命に関わる重い「副作用」があります。
これらの重い副作用は「まれ」ではありますが、
現在でも決して「ゼロ」にはできません。

参考
薬事日報(2012年11月13日):
【厚労省医薬食品局安全対策課】コートロシンで死亡例‐水痘の感染に注意喚起
http://www.yakuji.co.jp/entry29039.html


その他にも、ACTH療法には、
「高血圧」、「低カリウム血症」、「高血糖症」、「体重増加」などの、
さまざまな副作用があります。
これらの副作用は、
「ACTH」が多く出てしまう「クッシング病」と同じ症状です。

参考
クッシング症候群 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

ACTH療法の、
「作用」
働く可能性と、「副作用」が出る可能性は、
赤ちゃん一人一人でまったく違います。

ACTH療法の「作用」は、
原因がはっきりとしない「潜因性点頭てんかん(ウエスト症候群)」では、
原因がはっきりとした「症候性点頭てんかん(ウエスト症候群)」よりも、
働きやすいとされています。

ACTH療法の「副作用」は、
体の免疫が弱い赤ちゃんや脳から出血をしやすい赤ちゃんでは、
より出やすいと考えられます。

ですので、
ACTH療法をできるかどうかは、
慎重に慎重を重ねて判断されることになります。


なお、
潜因性点頭てんかん(ウエスト症候群)」では、
ACTH療法を早めに始めることによる発達への良い効果が報告されています。
ですので、
初めの抗てんかん薬が効かなければ、
早めにACTH療法に踏み切るようになってきています(文献1)。

この後も、
点頭てんかん(ウエスト症候群)の、
ACTH療法
について書いていきます。

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参考文献
[1] 伊藤正利:ウエスト症候群の診断・治療ガイドライン.
  てんかん研究 2006;24:68-73.
  http://square.umin.ac.jp/jes/epilepsy-detail/guideline.html

2012年11月24日 (土)

点頭てんかん(ウエスト症候群)の治療:ACTH療法とは?

この記事は続きになります。

「点頭てんかん(ウエスト症候群)
の治療:抗てんかん薬とACTH療法
http://kodomonotenkan.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-8527.html

点頭てんかん(ウエスト症候群)と診断され、
抗てんかん薬による治療の効果が十分でないと判断されると、
ACTH療法による治療が検討されます。

ACTH」とは、
副腎皮質刺激ホルモン」のことです。

「副腎皮質」は、
腰の上の両わきにある、
腎臓のそばにある「副腎」の一部です。

副腎

副腎皮質ホルモン」は、
生命を維持するのに不可欠なホルモンであり、
・体のタンパク質を糖分に変えて血糖を保つ作用
・体のナトリウムやカリウムなどのイオンバランスを保つ作用
・体の免疫を調整する作用
などがあります。
一般的には「ステロイド」とよばれているホルモンです。

参考
副腎皮質ホルモン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%AF%E8%85%8E%E7%9A%AE%E8%B3%AA%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3

ですので、
ACTH」は「副腎皮質を刺激して体の中に「ステロイド」を出す
ホルモンということになります。

ACTHは脳の中心にある「下垂体」から出ます。

下垂体

BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本

参考
副腎皮質刺激ホルモン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%AF%E8%85%8E%E7%9A%AE%E8%B3%AA%E5%88%BA%E6%BF%80%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3

ACTH療法は、
1950年にてんかんに対する有効性が、
1958年に点頭てんかん(ウエスト症候群)に対する有効性が、
初めて報告されました。

それから50年以上がたち、
ACTH療法点頭てんかん(ウエスト症候群)に最も有効な治療
であることはわかりましたが、
一方で、
なぜACTH療法点頭てんかん(ウエスト症候群)に最も有効な治療
なのか
いまだにほとんどわかっていません。

また、
ステロイド」そのものも、
点頭てんかん(ウエスト症候群)に有効であることがわかっており、
最新の有名なイギリスのガイドラインでは、
点頭てんかん(ウエスト症候群)の第一選択薬は、
「ACTH」または「ステロイド」
となっています。

ですので、

点頭てんかん(ウエスト症候群)に最も有効な治療は、
もともと体の中にあるホルモンによる治療である、

ということになります。

この後も、
点頭てんかん(ウエスト症候群)の、
ACTH療法
について書いていきます。

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2012年11月19日 (月)

点頭てんかん(ウエスト症候群)の治療:抗てんかん薬とACTH療法

この記事は続きになります。

「点頭てんかん(ウエスト症候群)の
検査
http://kodomonotenkan.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-55f4.html

点頭てんかん(ウエスト症候群)
と診断されると、
何らかの治療を受ける必要があります。

点頭てんかん(ウエスト症候群)は、
てんかん性脳症」のひとつになります。

てんかん性脳症」とは、
「認知や行動の障害について、
 てんかん性活動そのものが障害を引き起こす原因となり、
 これらの障害が経時的に悪化するもの」
と定義されています(文献1、
さむ訳

つまり、

点頭てんかん(ウエスト症候群)においては、
点頭発作(スパズム発作)」とよばれる発作だけではなく、
ヒプスアリスミア」とよばれる脳の電気の流れ(脳波)の乱れが、
発達に良くない影響をおよぼす、

ということです。

ですので、

点頭てんかん(ウエスト症候群)の治療の目標は、
点頭発作(スパズム発作)を止めることだけではなく、
ヒプスアリスミア脳波をできるだけ良くすることにより、
発達に良くない影響をおよぼすことを防ぐ、

ことにあります。

なお、
このよう
脳波そのものを治療することは、
てんかん性脳症」などの一部のてんかんのみ必要とされ、
その他のてんかんでは、
てんかん発作
がなくなれば、
さらに脳波
そのものを治療することはありません。

点頭てんかん(ウエスト症候群)の治療には、
・抗てんかん薬(ビタミンB6薬を含む)
・ACTH
療法
・ケトン食療法
・てんかん外科治療
があります。

このなかで、
最も有効な治療は「ACTH療法」となります。
なお、「ACTH」はそのまま「エイシティーエイチ」と読みますが、
「アクサ」
「アクス」あるいは「アックス」とよばれることもあります。

しかしながら、
ACTH療法には強い「作用」の一方で強い「副作用」もあります。
ですので実際には、
点頭てんかん(ウエスト症候群)と診断されると、
まずは抗てんかん薬から使い始め、
その効果を見極めつつACTH療法の準備を始め、
その間にいくつかの検査を受けて原因を探していく、
ということになります。

抗てんかん薬は、
・バルプロ酸(商品名:デパケンなど)
・ゾニサミド(商品名:エクセグラン)
などがまずは試みられます。
また、
・ビタミンB6薬(商品名:
アデロキザール)
が試みられることもあります。

なお、
てんかんに対するビタミン薬は、
点頭てんかん(ウエスト症候群)のみ試みられています。

諸外国においては、
特に「結節性硬化症」による点頭てんかん(ウエスト症候群)に、
「ビガバトリン」も第一選択薬のひとつとなっており、
日本においても、
発売前の段階からの大規模な治験が開始されていきます。

参考
ミクスOnline:
サノフィとアルフレッサ
 点頭てんかんの治療薬を共同開発へ フェーズ3から
http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/42379/Default.aspx

そして、
これらの抗てんかん薬により、
点頭発作(スパズム発作)が止まり、
ヒプスアリスミアの脳波が良くなれば、
ACTH療法には踏み切らないことになります。

この後は、
点頭てんかん(ウエスト症候群)
の、
ACTH療法について書いていきます。

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参考文献
[1] Berg ATら.Epilepsia 2010;51:676-685.

2012年11月15日 (木)

点頭てんかん(ウエスト症候群)の検査

この記事は続きになります。

「点頭てんかん(ウエスト症候群)の診断
http://kodomonotenkan.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-df25.html


点頭てんかん(ウエスト症候群)と診断されると、
いくつかの検査を受けることになります。

まず、血液検査があります。
これは、点頭てんかん(ウエスト症候群)の原因として、
体の代謝がうまくいかない「先天代謝異常症」などが、
隠れていないかをみるためです。

この先天性代謝異常症は、
その病気に対する治療薬があることが多く、
見逃さないようにしています。

また、体の設計図の変化による、
「遺伝子異常症」や「染色体異常症」の検査も、
血液検査により行います。

しかし、赤ちゃんの血液検査は、
全ての年齢で最も難しいとされており、
ベテランの医師でもうまくいかないことも多くあります。

また、尿検査もあります。
これも、先天性代謝異常症などが、
隠れていないかをみるためです。

赤ちゃんのおしっこをとるためには、
お股にパックを張り付ける必要があります。
なかなかうまくいかないことも多くあり、
繰り返し張り付ける場合には、
かぶれないように気をつけています。
パックに輪ゴムをゆるくかけて巾着(きんちゃく)状にすると、
うまくいくかもしれません。

参考
新潟県長岡市:
「10 か月児健診における女児の採尿方法の工夫について」
http://www.city.nagaoka.niigata.jp/kosodate/nyuyouji/kenkou/10-kenshin-kufuu.pdf

さらに、髄液検査を受けることもあります。
これも、先天性代謝異常症など、
特に、「ミトコンドリア病」という、
体のエネルギーを作る代謝がうまくいかない病気が、
隠れていないかをみるためです。

さらに、頭の画像の検査があります。
頭の画像の検査には、
「MRI検査」と「CT検査」とがあります。
それぞれに一長一短があります。

MRI検査は磁力を利用する検査です。
利点は解像度が高いことです。
脳の形作られることがうまくいかない「大脳皮質形成異常症」は、
MRI検査でのみ見つけられることが多くあります。

欠点は検査の時間が長いことです。
20~30分程度かかるため、
全身麻酔薬が必要となることが多く、
注意深く検査をしています。

大脳皮質形成異常症は、
てんかん外科手術により
てんかん発作がなくなる可能性があるため、
見逃さないようにしています。

CT検査は放射線を利用する検査です。
利点は検査の時間が短いことです。
全身麻酔薬を必要としないことが多く、
深く眠っている時に検査をするようにしますが、
うまくいかない場合には、
睡眠薬を飲んだりお尻から入れたりすることもあります。

また、生まれつきの感染である「先天性感染症」や、
遺伝子異常症の一種である「結節性硬化症」などによる、
脳のなかの小さな石(石灰化)は、
CT検査でのみ
見つけられることが多くあります。

欠点は解像度が低いことです。
大脳皮質形成異常症は、
大きなものは見つけられますが、
小さなものは見
つけられません

また、少なからず被ばくします。
よって、検査の利益と被ばくの不利益とを慎重に検討し、
検査の利益が上回る場合に行います。

被ばくの量はさまざまですが、
0.5~2ミリシーベルト程度とされています。
なお、日本の年間の自然放射線は1.5ミリシーベルト程度、
東京―ニューヨーク往復は0.2ミリシーベルト程度、
とされています。

参考
文部科学省:「放射線による影響」
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2011/11/04/1313005_10_1.pdf

特殊な検査である、
SPECT(スペクト)検査、PET(ペット)検査、脳磁図検査などは、
また別に書きたいと思います。

この後は、
点頭てんかん(ウエスト症候群)の、
治療について書いていきます。

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2012年11月13日 (火)

点頭てんかん(ウエスト症候群)の診断

の記事はてらむーさん」からのご要望により書いております。



点頭てんかん」は主に赤ちゃんがかかるてんかんです。

「点頭(てんとう)」というのは、「うなずく」という意味です。
このてんかんに罹った赤ちゃんは、うなずくような発作を起こします。

ウエスト(West)症候群」は点頭てんかんの別名であり、
このふたつの病名はほぼ同じように使われています。

「ウエスト」という名前は、
英国の医師であるウイリアム・ウエスト(1793年~1848年)の名前に由来します。
ウイリアムの息子であるジェームスは生まれて4カ月目に点頭てんかんになりました。
ウイリアムは息子の症状を医学雑誌にのせ、
これが点頭てんかん(ウエスト症候群)
の初めての報告になりました。

点頭てんかん(ウエスト症候群)は、
てんかんのなかではややまれであり、
赤ちゃん3000人に1人くらいがかかります。

点頭てんかん(ウエスト症候群)にかかった赤ちゃんには、
・うなずくような発作(点頭発作)を繰り返す
・発達が遅くなる、止まる、戻る(できていたことができなくなる)
という症状がでてきます。

なお、「点頭発作」は最近では「スパズム発作」ともよばれます。
「スパズム」というのは、短い時間だけ筋肉が縮むことです。

点頭てんかん(ウエスト症候群)になる原因はさまざまです。
原因は突き止められることも突き止められないこともあります。

実際にはなかなか原因を突き止めることはできません。
このような場合には、
潜因性点頭てんかん(ウエスト症候群)」とよばれます。
「潜因(せんいん)」というのは、「潜在+原因」という意味であり、
なんらかの原因がありそうだけれどもはっきりとしないということです。

突き止められる原因にはさまざまなものがあります。
脳のかたち作られることがうまくいかないことに原因があることもあります。
また、体の代謝がうまくいかないことに原因があることもあります。
あるいは、極端な難産などによる脳の傷に原因があることもあります。
このような場合には、
症候(しょうこう)性点頭てんかん(ウエスト症候群)」とよばれます。

まれに、体の設計図の変化に原因があることもあります。
体の設計図には「遺伝子」やそれを折りたたんだ「染色体」があります。
なお、誤解されやすいことですが、
「遺伝子に原因がある」ことイコール「遺伝した」ということではありません。

このような遺伝子の変化のほとんどは、
親から子への「遺伝」ではなく、
赤ちゃんだけの「偶然の遺伝子の変化」によって起こります。

このてんかんが疑われる場合には、
まずは、「脳波検査」が行われます。
脳波検査は「脳の電気の波の流れ」をみる検査です。
そして、脳波検査で、

ヒプスアリスミア」と呼ばれる特徴のある脳の電気の波がみられれば、
点頭てんかん(ウエスト症候群)と診断されます。

ヒプスアリスミア」とは、
てんかんの波が全体にばらばらに入り混じった脳波であり、
ギリシャ語の「丘(ヒプス)」と「律動のない(アリスミア)」からなる用語です。
しかし、ときにこの「ヒプスアリスミア」がはっきりしないことがあります。
その時には、繰り返して脳波検査を行うこともあります。
また、まれにこの「ヒプスアリスミア」がみられないこともあります。
それでも、点頭てんかんと判断されれば、
ヒプスアリスミアを伴わない点頭てんかん」と診断されることもあります。

なお、
ヒプスアリスミアを伴う点頭てんかん」のみを、
ウエスト症候群」とよぶこともあります。(文献1)

左側の脳波は治療前の「ヒプスアリスミア」の脳波
右側の脳波は治療後に正常となった脳波です。

Eeg_hypsarrhythmia_and_normal

この後は、
点頭てんかん(ウエスト症候群)の、
検査について書いていきます。

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参考
点頭てんかん - Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%B9%E9%A0%AD%E3%81%A6%E3%82%93%E3%81%8B%E3%82%93

参考文献
[1] 伊藤正利:ウエスト症候群の診断・治療ガイドライン.
  てんかん研究 2006;24:68-73.
  
http://square.umin.ac.jp/jes/epilepsy-detail/guideline.html

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