点頭てんかん(ウエスト症候群)などでACTH療法を受けた後は
点頭てんかん(ウエスト症候群)などでACTH療法を受けた後は、
3か月から6か月の間は「免疫力」が低下しているとされます(文献1)。
ですので、
その間は引き続き感染に気をつける必要があります。
しかし、
「外出」できるようになる時期や、
「保育園」に入園や復園できる時期につきましては、
明確な基準がないために病院の方針により大きな幅があります。
私どもは、
ACTH療法を終了してから、
・「1か月程度」は外出を控える
・「3か月程度」は保育園に入園や復園を控える
ことをひとつの目安としています。
また、
12月頃から3月頃までの冬の間は、
・「インフルエンザウイルス」
・「RSウイルス」
・「ノロウイルス」、「ロタウイルス」
などのさまざまなウイルスが流行するため、
特に外出や保育園は慎重になる必要があります。
一方、
「予防接種」を受けられるようになる時期につきましては、
『予防接種ガイドライン』により、
「ACTH療法後の予防接種は6ヵ月以上おいて接種する」、
「主治医(接種医)の判断でこの期間は変更可能である」、
とされています(文献2)。
私どもは、
・ACTH療法の用量(極少量か通常量かなど)や期間
・保育園などの感染の機会の多少や地域の流行の状況
などを考慮した上で、
ACTH療法を終了してから、
必要により「3ヵ月程度」からの接種が可能と考えています。
しかし、
ACTH療法後の予防接種により、
抗体を獲得できる割合は明確になっていないため、
場合により血液検査による抗体価の確認が必要になることがあります。
また、
繰り返しになりますが、
感染の可能性を少しでも減らすため、
「インフルエンザ」などの予防接種は、
周りのご家族がしっかりと受ける必要があります。
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参考文献
[1] Ohya Tら. Brain Dev 2009;31:739-743.
[2] 予防接種ガイドライン等検討委員会:予防接種ガイドライン2011年度版
p.80~83,2011.