Dravet(ドラベ)症候群(乳児重症ミオクロニーてんかん)にBuccolam(ブコラム)を
Dravet(ドラベ)症候群(乳児重症ミオクロニーてんかん)では、
入浴による体温上昇や、風邪などによる発熱により、
しばしば「てんかん重積発作」をおこしてしまいます。
自宅におきましては、
「ジアゼパム坐剤(ダイアップ)」
「抱水クロラール坐剤、注腸用キット(エスクレ)」
などを使用しての対応となりますが、
なかなか対応が困難であるのが現状です。
私にはひとつの考えがあります。
みなさんは、
「Buccolam」という薬をご存知でしょうか?
VIROPHARMA: BUCCORAM
http://www.buccolam.co.uk/welcome/
日本にはまだありませんが、
欧州では2011年に認可されています。
これは、
口腔内粘膜投与用の「ミダゾラム(ドルミカム)」です。
6か月から18歳までの、
てんかんと診断された患者さんが処方をうけることができ、
てんかん発作が出現した際に保護者が投与することができます。
(3か月から6か月までの患者さんは病院内での投与のみ)
投与法は簡単で、
キャップを空けて口のわきに流し込むだけです。
VIROPHARMA: BUCCORAM
How to administer BUCCOLAM
http://www.buccolam.co.uk/downloads/BUCCOLAM-administration-leaflet.pdf
日本におきましても、
病院内における「てんかん重積発作」の対応として、
特に静脈路(点滴)が確保できない場合に、
「ミダゾラム(ドルミカム)」を鼻粘膜や口腔内粘膜に投与することが、
一部の施設で実施されるようになってきました。
しかし、
日本におきましては、
鼻粘膜・口腔内粘膜投与はおろか静脈投与でさえも、
いまだに「保険適応」となっておらず、
患者さんと医師の「自己責任」で投与しているのが現状です。
私たち医師は、
Dravet(ドラベ)症候群(乳児重症ミオクロニーてんかん)では、
「ジアゼパム」や「抱水クロラール」よりも、
「ミダゾラム(ドルミカム)」のほうが、
はるかに効果を発揮することを経験しています。
その理由として、
「ミダゾラム(ドルミカム)」には、
前回記事で説明しました、
「休ませる神経(抑制性神経)」の働きを助ける、
とても強力な作用があるからです。
参考:
Dravet(ドラベ)症候群(乳児重症ミオクロニーてんかん)とは?
http://kodomonotenkan.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/dravet-304d.html
日本におきましては、
「Buccolam」を入手することはできません。
「ミダゾラム(ドルミカム)」は、
抗精神薬に分類されているため、
「個人輸入」も規制されています。
日本におきましても、
(世界の主流である静脈投与さえ、
いまだに「保険適応」が認可されていない現状ではありますが)
「Buccolam」が早期に使用できるようになるよう、
私も働きかけてまいりたいと存じますので、
みなさんからのお力添えや働きかけをどうかよろしくお願い申し上げます。
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